「着替えてきたのか、じゃあ行くぞ」

じゃあ行くぞ…って

「ちょっと待ってよ!」

玄関に向かって歩いていた咲にぃが振り返る

「なんだよ」

「もう一回聞くけど、今日って倉庫に行くんだよね?」

「ああ」

「じゃあこの格好は?」

「……ちょっとした腹いせだ」

は?

確かに今日は咲にぃ機嫌悪いなーと思ってたけど!

だからって私にこんな格好させなくても!

ちなみに私の格好は

白いワンピースに控えめにフリルのついた清楚って言葉がぴったりの格好

そう言えば…

腹いせってどういう事?

「腹いせって何かあったの?」

と聞くと咲にぃは見る見るうちに悲しい顔になって言った

「…麗華が、男と手を繋いでたんだぁぁぁ」

そう言って叫んで顔を隠した咲にぃ

泣いてるのかな?

「ちょっと落ち着いて!話聞くから…」

心配になって言うと

泣いてたはずの咲にぃは叫んでた声をピタッと止め

どこからか一冊の雑誌を出してきて私にある一ページを見せた。

「えっと…『新作!かわいいコーデで彼と出かけちゃおう!』」

そこにはそう書かれていて麗華さんとモデルの何とかって人が手を繋いで写っていた。