……えっと、何が起こってるんだろう?
今の私の状況は簡単に言えば、
浮いてる。
詳しく言えば、
誰かに腰を持たれて持ち上げられてる。
「何すんのよ!せっかく抱きしめてたのに!慧の馬鹿」
「…ぅるせぇ」
そう言ったかと思うと、さっきの人から少し離れたところに降ろされた。
慧、力ありすぎでしょ私を片手で軽々持ち上げるとか…
さすが総長。と一人でぶつぶつ言っていると、信じられない言葉が聞こえた。
「そういえば、咲夜さんは?」
……………
……………
……………
……………
…はい?
「疾風い、いま誰さんって言った…?」
「は?咲夜さんだろ?」
咲夜ってあの咲にぃ?
もしそうだとしたら…ヤバイ
でも、同姓同名の人かもしれないし…
そうだ!上の名前聞いてみよう!
「その人、何咲夜さんなんだ?」
「えっと…なんだっけ、たしかよく聞く名前なんだよな」
よく聞く名前…
龍ヶ崎なんて珍しい名前そうそういない。
私に僅かな希望ができたが…
「たしか…、龍ヶ崎咲夜さんだ!」
その希望は打ち破られた…
に、逃げよう!
咲にぃに殺される前に!
私は慌てて出て行こうとした…が
その行動は阻止された