「んじゃ始めるぞー」
疾風の合図で洸君は構える
私はと言うと構えず立ったまま
構えると力んじゃうからね
そう思いつつ洸君を見ると
…何と言うか……
まぁ、あれだねそこそこ強いんだろうけど
ガードが弱いね…
まだ戦ってみないとわかんないけど
今はきっと私のことしか見えてない
後ろからの攻撃に弱いタイプだね、きっと。
慧が言ったように洸君をよく見ていると
「いくぞ!」
と言って洸君が走ってくる。
ん~、ほんとは早く終わらせたいけど…
もう少し洸君観察してみよ
ヒュンッ
ふむふむ拳を繰出した後は主に右のガードが甘くなる…
ヒュンッ
向かってくるときはスキだらけ…
ヒュンッ
ガードが甘いのがこの子の欠点…
ヒュンッ
よし!観察はこれぐらいにして…
洸君が殴りかかって来たのをかわし
そのまま後ろに回って手刀で首の後ろを軽く叩く
トンッ
地面に倒れる寸前で洸君を受け止める
ドサッ
重い…
誰かに手伝ってほしくて周りを見ると疾風を除いた皆、目が点になっていた…