ウザイ疾風は無視して慧に聞く。

「勝負って何するの?」

「風雅の下っ端の決まりがあんだ」

初耳だ…

風雅の決まりは聞いたけど

下っ端君たちにも決まりがあったんだ…

「決まりって?」

「下っ端たちが皆仲良くするために陰湿なことはせず、皆の立ち会いの下喧嘩する。」

皆が仲良くするために…か

ん?てことは…

「お前は今からあいつと喧嘩するんだ」

私の思ったことの続きは慧が言った。

あぁ…やっぱり…

「やだよ…」

「拒否権はない、あいつの気の済むまでやってやれ」

「一撃で気絶させていいっすか?」

言葉が変になった私を慧は少し笑って「ああ」と言った。

「だが、少しあいつの動きを見てくれ」

慧の言っている意味がよくわからなかったけど

疾風が「零、早く来い!」ってうるさいから

疾風のところに向かう

「行ってくる」

「あぁ、がんばってこい」

慧のその言葉にニコリと微笑んで走り出す。

「零!おせーよ!」

「ごめんごめん」

「たくっ、さっさとあそこに立て!」

疾風の言葉に「はーい」と返事をして立つ

とすでに立っていた洸君に睨まれる。

それに答えるように私も洸君の目を見据える。