「何だ、洸」

洸(こう)そう呼ばれた人は反抗期真只中ですって感じのふわふわのおれんじの髪に、男の子なのに可愛い顔

と印象的な

可愛い顔に合わない切れ長の目。

この子も俗に言うイケメンだね、きっと。

いやカワメンかな?(カワイイイケメン)

洸と呼ばれた人は少し間を置いて話し出した。

「俺はこいつが幹部になることが納得できません」

それはそうだよね。

1人うんうん、と納得していると、聞いたことのない低い、慧の声が聞こえた

「理由は?」

慧の態度に洸君はビクッと肩を震わせてから続けた

「俺は…最近ふらっと湧いて出てきたような…こんな女みたいな弱っちそうな奴、幹部に相応しくないと思います。」

それを聞いて慧、(なぜか)疾風、恭耶がフッと鼻で笑った。

「洸それは違うぞー」

私の横に笑いを堪えた疾風が来て、私の肩に腕を乗せた。

重い…

「そうだそうだ、こいつ強いぞー」

恭耶も疾風の反対側に来て肩に腕を乗せる。

「だってこいつ…」

「恭耶それ位にしとけ、まだ咲夜さんに連絡とってねぇ」

…恭耶はきっと私が舞姫だって言おうとしたんだろうけど

慧の言葉で「じゃ、やーめよ」と言って離れていった。

洸君はさっきからずーっと私を睨んでくる。

どうしよう…そう思った時

「慧さん、俺とそいつ勝負させてください」

迷いの無いまっすぐな洸君の声が倉庫に響いた

倉庫に響いたのは私の気のせいかもしれないけど…

あぁ、この子いい子なんだなと思った。

理由は無いけどそう思った。

「好きにしろ」

慧がそう言った瞬間、後ろに居た疾風から「やった!」と言う声が聞こえた…