「零!主役が来なくてどうすんだよ!」

下から疾風に呼ばれ慌てて慧と降りる

とそこには50人ほどの人が集まっていた

風雅ってこんなに居たんだ

さっきまでこんなに居なかったような…

ポカーンと立ちすくむ私に疾風が

「ほら、零もっと前出ろよ」

そう言って背中を押した。

「わっ!」

前のめりになって転びそうになって疾風を睨む。

「ハハッ、ワリーワリー」

全然悪く思っているように見えない。

ジト目で見ると苦笑いしていた。

気を取り直して胸を張り前を見据える。

サッと見たところみんな良い人そう

喋ってみなきゃわかんないけどね。

準備OKという意味で少し後ろに居た慧を見る

慧は頷くと私の横に来て言った。

「今から新メンバーを紹介する」

慧がそう言うとそれまでザワザワしていた倉庫がシンッと静まり返った。

すごい…

慧ほんとに総長なんだ…

「零」

感心していると慧に名前を呼ばれハッとする。

「あ…うん、えーっと龍ヶ崎零です。よろしく」

そう言いペコリと頭を下げると「それだけかよ…」と言う疾風の声が聞こえたような気がしたけどそこはスルー。

後ろに下がった慧がまた横に来て説明と締めくくりを言う。

「零は今度の朱雀のことにも参加してもらう。それが終わったら正式に幹部にするつもりだ」

「ちょっと待ってください!」

そう言って慧の言葉を遮ったのは、前に私が刺されて風雅に来た時に「誰だテメー」と言ってきた人だった。