「で、何で俺起こしたの?」
私の前に居るのはさっきまでとは別人の恭耶。
詐欺だ、絶対詐欺だ!
こんな爽やかな顔しといて寝起き悪いとか詐欺だ!
心の中で悪態をつく私の代わりに慧が答えた。
「零の紹介するぞ」
「あぁ、なるほどそれで俺起こされたんだ」
な、なんか言葉に棘があるような気がするのは私だけ?
「じゃあ下行こーぜ」
疾風の言葉に続きぞろぞろとwindを出て行く。
一番後ろ慧の後ろをついて歩く。
と慧が急に立ち止まった。
「どうしたの?」
恭耶と疾風は先に行ったから自然と元の口調になる。
「大丈夫か?」
「え?何が?」
首を傾げると慧はなぜか少し顔を赤くして
「恭耶に殴られそうになってただろ」
と呟いた。
え…それって…
「心配してくれたの?」
思ったことがつい口に出てハッとして慧を見ると耳まで赤くなっていた。
つられて私も赤くなる。
とまたこの前から感じる変な気持ちになる。
鼓動が早い…心不全かな…?
今度お母さんに聞いてみよ。
「大丈夫、ありがと」
笑顔で返すと慧も笑顔で返してくれた。
顔をさらに赤くしながら…