「え?」
そう言ってキョトンとした私に千鶴は少し考えてから言った。
「質問変えるね?どうして、今日はいつも以上に運んでくれた人のこと気にするの?」
どうして…
今まで何度か保健室に運ばれることがあったけど今日みたいに自分から聞くのは初めてだったと思う。
いつもは私が聞く前に誰かが教えてくれてお礼を言うだけ。
「えーと…今日は無性に気になって…」
懐かしく感じたとはなぜか言えなかった。
そんな私に千鶴は「ふーん」と言って。
「運んでくれたのは、慧さんだよ」
と言った。
慧、その名前を聞いた瞬間顔が赤くなっていったのがわかった。
と同時にこの前から感じているわけのわからない感覚も感じた。
ふと千鶴を見ると、どこか意味深な顔で私を見ていた。
「零、大丈夫?顔赤いよ、熱?」
優香が心配そうな顔で見てきたがなぜか千鶴が
「大丈夫、熱とかじゃないよ。ある意味熱だけど(笑)」
そう答えた。
熱じゃないけど、ある意味熱?
意味わかんない…
考え込む私に楽しそうな声で千鶴が言った。
「さ、帰ろ♪」
「「…うん」」
他愛無い話をしながら私たちは帰った。
別れる時千鶴は意味深に
優香は作り笑いで…