「保健室連れてってやるから立て」

「は~い」

俺がそう言うと零は素直に立った…が足取りが危ない。

仕方なく抱き上げる。

まぁ、お姫様抱っこってやつだ。

ふと周りを見るとみんなの表情はそれぞれ

険しい顔の奴

頬を赤く染めている奴

敵対心むき出しの男

殺意むき出しの女

何なんだこのクラス…

とりあえずこいつを運ぶか…

入り口に向かって歩き出そうとしたら

「慧さん!」

と呼び止められた。

振り返ると千鶴が意味深な顔で立っていた。

「なんだ」

「いいこと教えてあげます」

いいこと?

「零酔ってるとき何でも答えてくれますよ。」

千鶴はにやりと笑って言った。

どういう意味だ?

「たとえば…零チョコ好き?」

「うん!」

「じゃあ…零と慧さんはどんな関係?」

その質問に零は一瞬きょとんとしてから笑顔で

「ふう…んっ」

答えようとしたが急いで手で零の口を塞いだ。

多分いま風雅の仲間てきなことを言おうとしたんだろう…

危なかった…