黒鳥ゲンと偶然(?)会ってから3日…
私は平和な日常を過ごしていた。
嵐の前の静けさとは知らずに……
「デザート♪ デザート♪」
今は学校の昼休み。
教室で優香と千鶴と3人でお昼を食べていた。
食べ終わって雑談をしていると千鶴が鞄からある物を取り出した。
「何?それ…」
優香が首を傾げて聞くと千鶴はご機嫌で言った。
「チョコ♪」
ピクッ
「チョコ!?」
チョコ好き…というか甘いものが大好きな私は乗り出して聞き返す。
「…うん!食べる?零チョコ好きでしょ?」
千鶴は少し引き気味でそう言った。
そんなことはおかまいなしで私は勢いよく頷いた。
そんな私を温かい目で見つめる優香。
「じゃあ…はい!」
「ありがと♪」
千鶴がくれたチョコを口に放り込み噛み締める。
「おいひ~~ん?」
満面の笑みだった顔を急に歪めた私を2人は不思議そうに見る。
「どうかしたの零?」
「美味しくなかった?」
優香が不思議そうに、千鶴が心配そうに聞く。
「美味しいけど…」
口に広がる苦い味。
何かはわかってる
これは、お酒だ…
私の意識はそこで途切れた。