「俺は、黒鳥ゲン黒鳥ってチームの総長してんだ。で、君は?」
「あ、私は…、んっ」
とっさに自己紹介をしようとすると慧に口を手で塞がれた。
「んんっんんっんん~!」
(↑なにすんのよ~!と言いたい)
私は、少しの間喚いていたが、慧の顔を見て喚くのをやめた。
慧が今までに見たことがないくらい険しく黒鳥ゲンを見ていたから
言葉をなくして慧のことを見つめていると
黒鳥ゲンがさも面白くなさそうな声で
「名前ぐらいいいじゃん、ケチ」
と口を尖らせて拗ねた。
慧はそれを無視して黒鳥ゲンから私が見えないように歩き出した。
黒鳥ゲンを通り過ぎると後ろから
「近々決着つけるから」
と聞こえた。
顔がわからない程度に振り向くと
黒鳥ゲンはこっちを見てニヤリと笑っていた
いやな予感を覚えつつ慧に手を引かれ家に向かった。