パシッ

「こいつに触るな!」

慧はそう言ってその人の手をはらった。

一瞬驚いたのがわかったがすぐに挑発する口調で

「こわいこわい」

と言った。

挑発する口調に慧が殴りたい衝動を堪えているのがわかった。

「そういえば、風雅の総長さんよ~」

「なんだ」

「俺が誰か知ってる?」

その人はいまさらな質問をしてきた。

私は、慧が知ってるわけないじゃんと思った。

知り合いだったら私のこと隠す必要な「ああ」

…え

「慧この人知ってるの!?」

勢いよく慧を見上げて聞くと、お前はばかかと言う目線で見下ろされた。

慧が知ってて私を隠さなきゃダメな人って誰だろ?

慧の腕の中で首を傾げる。

「な~んだ知ってたんだ…、でもその子は知らないみたいだし自己紹介しようかな」

え、自己紹介してくれるんだ

してくれないと思ってた。

自己紹介の時ぐらい顔見たほうがいいよね?

背中向けてるなんて失礼だし

そう思い慧の胸を押して離れようとした

…がさっきより強く抱きしめられた

慧を見上げるとすっごく睨まれた

こわっ

仕方なく慧の腕の中でおとなしくする。