バタンッ
勢いよくドアを開けて慧を見るとやっぱり上半身裸だった
「慧!ごめんね」
慌てて慧のところに行き服を渡した
「サンキュ」
慧は服を着ると「送る」と一言言って歩き出した。
「今日はありがとうございました!」
私は恭耶と疾風に挨拶をしてから慧の後を追った。
倉庫から出て歩いていると少し前に誰か立っているのが見えた
慧が急に立ち止まった。
どうしたんだろう?
慧とその人を交互に見ると睨み合っているようだった。
その人は私に目線を移した
「かわいいなぁその子。俺にくれよ」
その人はニヤリと笑ってそう言った。
ゾクッ
何…?あの人気持ち悪い…
「ん?その子舞姫に似てるような…」
バッ
あの人がそう言った瞬間慧が動いた。
なななななにこの状況
抱きしめられてる?
「ちょ、慧」
ボソッ
「おとなしくしてろ」
慧にそう言われおとなしくしていることにした。
なんだか危険な雰囲気だったから。
「似てるわけねーだろこいつは女だ」
慧が威嚇をしながらそういうと
慧の威嚇なんて気にしないでその人が近づいてくる気配がした。
「いや、でも似てる…舞姫の性別は謎だし…」
私の顔は慧に抱きしめられているから見えないはず。
でも…その人が手を伸ばしてきたのが目の端で見えた。
ばれるッ!