どうしたんだろう…?

ジッと慧と見つめあっていると

「お前やっぱり……だろ」と慧が口を開いた、

…がよく聞こえなかった。

「えっ?なんて?」

そう聞くとあからさまに眉間の皺を寄せもう一度口を開いた。

「お前龍ヶ崎零だろ」

…ん?

今なんて?

えっと…“お前龍ヶ崎零だろ”

……………

ば、ばれた!?

少しして言葉の意味が理解できた私は、冷や汗だらだら。

よし!とぼけてみよう!

「龍ヶ崎零は、私のイトコ…「お前だろ」」

とぼけようとしたけど遮られた…

…ってかまた

「近いです!」

さっき離れてくれたのに今は最初の時より近い…。

「本当のこと言った方が身のためだぞ」

私の言ったことスルーですか!?

身のためってどういうこと!?

ボーっと考えていたのが悪かったのか

気がつくと私の顔の横には慧の腕…

顔を上げると至近距離に慧の顔。

「逃げ場はねーぞ。どうする?」

慧は口の端を楽しそうに持ち上げた。

も…もう無理。

こんな状況に慣れてないからキツイ…

もう本当のこと言おう…

「私は龍ヶ崎零だ…よ」

私の意識はそこで途切れた。