満開のサクラが咲く、春。

楽しかった中学校生活も終わり、

仲良しの友達とも別れて、

新たなる一歩を踏み出した。

鈴、15歳。

高校へ入学して、まもなく

いい友達も出来て充実な日々を過ごしていた。

ある日、

ドンッッ

前を見ていなかった私。

思いっきり誰かにぶつかったせいで

持っていた教科書とノートを落としてしまった。

「痛い…」

目を開けると、

下がフワフワしている。

ん??

誰かの上に乗っているような…

下を見ると、

知らない男の人。

「ギァッすみません・・・ホントに」

「平気だよ」

少しの間私はその人に謝り続けていた。


「はぃこれ。キミ軽かったから大丈夫だよ」

教科書などを拾ってくれ、笑顔で私に言ってくる。