「俺、ともみと付き合うことになった」

「そうなんだ」

ともみ…

そう呼んでいなかったのに…

なんで私に言うのよ…

「ヨカッタね」

笑えていなかったと思う。

ヨカッタね…そんなこと正直思っていないもん。

「なぁお前おかしいよ」

「は?」

「なんか、最近お前おかしい」

「おかしいのは大地じゃん」

おかしい…

そんなコト言われる筋合いないっつーの。

「どこがだよ?」

「キスなんてしないでよ…幼なじみなのに」

私は涙がまた出た。

ホントは大地を見ればすぐに泣いてしまう…

だからソファーに座っていたのに…

「なんで薫泣くんだよ」

「わかんないよ」

「お前逃げてるんじゃねぇよ」

私は大地の言葉なんて聞かなかった。

もうひたすら泣いた。

「スキなんだよ」

その言葉だけがふと耳に聞こえた……

「えッ??」

後ろをふくと物凄く近くに大地がいて、

その大地の顔は真っ赤だった。