「私親いないんですよ…」


「じゃあ身内の方でも…」


「それもいなくて…」


その男の人は頭をポリポリとかいた。


「困ったなぁ…」


「あ、やっぱりいーです!じゃ!」

そう言って不動産の店を出ようとしたら


「ちょっと待って!」


私は止められた。

「はい?」


「行く場所ないなら俺んち来る?」






それが貴方。

廉との出逢いだった。