*琥珀side


「……翡翠、何があったの?」


突然寝室を飛び出し、
【本の部屋】へと駆け込んだ翡翠。

いつもより白い翡翠の手には
本棚3段目にある開かれた辞書。

か行のページは他と同様に
ピアノの鍵盤みたいに白黒で、
翡翠が何を見てこうなったのか
あたしには分からなくて。


「翡翠……?」


覗きこんだ翡翠の顔は、











「……何だよそれ………」






虚ろな笑みを浮かべていた。



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