言えない、

そう言った琥珀の目は

何かに怯えているようで。

「、どうして?」

「言ったら、全部壊れちゃうから」

固く握られた拳は解けそうになかった。
こういう時の琥珀は厄介だ。
とてつもなく頑固だから。
[壊れちゃう]
その響きはどこまでも深く暗かった。

悲しみと、戸惑いと、絶望。

言い表すには、それで充分だった。



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