「か……んざき、さん…。」


背後の女性を振り返った彼女達は
しまった、という顔をした。

神崎、と呼ばれたその女性は
見た感じ50代後半〜60代前半
あたりだろう。




「あの子はきっと帰ってくる!!
成長して、笑顔で帰って……!!」

女性の悲痛な声が耳を突く。


「神崎さん……」

「すみません母が突然っ!!」


前方から、30代後半くらいの
美しい女性が「神崎さん」に駆け寄ってきた。