「本当にすまないな、水晶。」
「ううん、もういいよ【お父さん】。」
水晶が両手を胸の前で振って
<大丈夫>と言うと、
【父さん】はほっとした顔で
「じゃぁもうすぐ夕ご飯だから
リビングに戻りなさい。」
「「「はーい」」」
黄金、瑠璃、水晶は【父さん】が
出ていくより先にリビングへ
駆けていった。
「琥珀、翡翠、私達もいこ。」
真珠に促されて出ていく僕達を、
【父さん】は見届けていた。
ねぇ【父さん】、
なんであの時、コインをひったくったんだ?
そこまでして取り戻したい理由が
あるとするなら
それは一体、何?