「……ねぇ翡翠、真珠。」

琥珀が自身の右腕に左腕を
添えながら小さく呟いた。

「なぁに??」

真珠が尋ねると、琥珀は
少し声をひそめた。

「あのね………さっきのその、
あたしの様子のこと、
【お父さん】には言わないでほしい。」

弱々しく、目を伏せて告げるその言葉は、
何かに耐えているようで。
僕も真珠も何も言わずに、
……何も言えずに頷いた。