「琥珀、大丈夫??
手、震えてるよ。」

真珠は小声で言ったため、
近くにいた僕と琥珀にしか
その声は聞こえていない。

琥珀の手は、確かに小刻みに
震えていた。

「ちょっと手出して。」

僕の言葉に従って出された琥珀の手をそっと握る。

落ち着かないその手は、
強ばっていてとても冷たい。

「だいぶ冷たい……大丈夫か??」

琥珀は無理に明るい声で答えた。

「うん!!何にもないよっ。」

なおも小刻みに震える手。

何かに怯えたような瞳は、
どう見ても「何にもない」わけなかった。