「見ーつかんなーいなー」

真珠がゆっくりした調子で言う。
確かに真珠の言葉どおり、
宝はなかなか見つからない。

本の間、絵の裏側、コップの中。
これだけ探しても、やはり
琥珀の隠した500と記された
コインは姿を見せない。


「皆頑張ってーっ♪
見つけたらあたしに言ってね!!」

そう言って琥珀は楽しそうに
廊下を駆けていった。