私と黒岩は、恋人同士じゃない。
でも、私の片思いでもない。
うん。
変な関係。
私が、好きって告白して。
そしたら、黒岩は“ずっと俺のこと好きでいていいから、受験頑張れ”って言ってくれた。
で、合格したらもう一回告白しろって言われて。
無事合格できたから、告白したら・・・・・・
“俺も好き”って言葉をくれた。
だけど・・・・・・
“誰とも付き合う気はない”とか言ってさ。
「何、ボーっとしてんの?」
ノートで頭を叩かれた。
「別に」
「別にって!お前は沢尻か!!」
「別に・・・・・・」
「久しぶりに俺に会えて、嬉しいん?」
よくもそんなセリフを真顔で言えるなぁ~、この人。
「うちら、変な関係やなって思ってさ」
「変な関係?何がやねん。誤解されるようなこと言うな!まだ俺、お前に手出してないやろ」
「そういう意味じゃない。付き合ってないけど、そうやって先生は甘い言葉とか言うし、私はまだ子供やから、正直・・・・・・とまどってるねん」
早く大人になりたい。
こんな不思議な男の人には、どう接すればいいんやろう。
カケヒキとかようわからんし、まっすぐにぶつかることしかできひんもん。
だから、彼女にしてもらわれへんのかな?
「お前のこと、好きやねんからしゃーないやん」
うぅ・・・・・・
そんな一言で終わってしまった。
そんなこんなで、まだ彼女になれんまま、私は高校生になった。