10メートルくらい走ったところで、我に返り、立ち止まる。
呼び止めてくれへん黒岩は、もうあきれてしまったんやろか。
「黒岩、ごめん」
振り返らずに呟いてみるけど、その声が届いたかどうかわからん。
「俺の方こそごめん!!」
黒岩は私のすぐ後ろにおった。
で……
優しく私の肩に手を乗せた。
「ごめん、萌ちゃん」
「違う。私が悪いねん。ごめん」
「ちゃうよ。俺が悪かった」
「ううん、私があほやねん」
そっと肩に乗せられた手が、すごく温かくて……泣ける。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…