差し出された黒岩の左手を、ガシっと掴む。



素直になれん私からの必死の愛情表現。



“黒岩、大好き”と心の中で叫ぶ。






「手、つなぐとか・・・・・・めっちゃ緊張するな。俺ら、恋人同士みたいやな」




こうして、黒岩と初めて手をつないでしまった。



手をつないだ私は、緊張しまくって、ますますかわいくない態度ばっかり取ってしまう。





でも、黒岩は優しくて、面白くて。


どんどんどんどん好きになる。





「こういうデートしたいって思う女の子あんまりおらんで。萌ちゃんはやっぱり俺に合ってるわ」




男の人と手をつなぐなんて、小学校のフォークダンス以来。




あの時、好きな男子と手をつないで喜んでたけど、今は喜びよりもただただ恥ずかしくて、ドキドキして息をするのもしんどい。