「気持ちええなぁ~。こういうデートもええな」
私達は、地元から車で1時間の山の中におる。
どんなデートがしたいか聞かれた私は、“森林浴”って答えてしもた。
正直、とっさに思いついただけやけど。
「先生疲れてるかな~と思って。自然の中で癒されてな」
と適当なことを言ってみる。
「お前・・・・・・めっちゃ優しいやん。ますます好きになるやんか」
相変わらずの天然黒岩は、素直でかわいい。
今日の黒岩は、青山を思い出させるピンク色の服。
デニムのパンツに、薄いピンクとグレーのシャツ。
中のTシャツは白。
な~んか、黒岩じゃない。
ちょっとオシャレ風で、きもいって。
「オシャレしてきたん?」
私の質問に、にっこりと笑って答える。
「いつも通りやけど・・・・・・でも、萌ちゃんとデートやからお気に入りの服にした」
嬉しいことをいっぱいいっぱい言ってくれる。
車の中でも、ニヤけちゃうようなセリフを言い続けてくれた黒岩。