何を考えたか、私ってば、中学の制服を着て行ってしもた。
学校に入るのに、私服ってのも、どうかと思ったんやけど・・・・・・
案の定、大笑いされる。
「お前、あほちゃうか」
そんな冷たいツッコミにさえ、ときめいてしまう。
前よりも、もっともっと黒岩のこと好きになってるみたい。
サッカー部顧問の黒岩は、グレーのジャージを着てた。
卒業式以来やから、めっちゃ緊張する。
「何、緊張してんの?ノート持ってきた?」
「はい・・・・・・」
ノートってのは、受験前に黒岩と私で交換してた勉強ノート。
英語の苦手な私のために、毎日問題を作ってくれた。
合格した後も、そのノートは続いてて・・・・・・
「これだけ?何か、俺にメッセージ的なもの、ないの?」
職員室の中には他の先生もおるっちゅうのに、堂々とこんな発言をする。
黒岩は、謎多き男。
「次からは、ちゃんと俺への愛のメッセージを書いておいでや。そうじゃないと、このノート続ける意味ないやん」
「意味??」
「そうや。交換日記やん」
黒岩の口から交換日記なんてメルヘンな単語が出るなんて、驚きやぁ~!!