「入学式って何するんやろ?」
「さ~。校長の話とか、先生の紹介ちゃう?」
私と瑠美は、バスを降りて、大勢の人の波に乗って歩く。
「かっこいい先生とかおるんかな?萌みたいに私も先生狙おっかな」
「え~、瑠美が?」
「なんか、萌と黒岩先生見てて、ええなぁって思ってんもん」
私が黒岩を好きってことは、瑠美だけしか知らん。
で・・・・・・
片思いじゃないってことも。
「かっこいい先生なんか、なかなかおらんのちゃう?瑠美、面食いやし」
「確かに。そんなに都合良く、かっこいい先生なんか現れへんよな」
教師が恋愛対象になるなんてありえへんと思ってた。
周りの友達が、先生を好きとか言ってるのを聞いて、ちょっと引いてたしさ。
まさか、自分が先生に恋をするなんて。