「お父さん、ケータイ買ってええ?」
酔っぱらってるお父さんはご機嫌やから今が交渉には最適や。
「ん~?せやな。お前も高校までよく我慢したもんな」
「じゃあ、明日買いに行っていい?」
ビールを注ぐ手が止まる。
「明日?行くなら、お父さんと一緒に行ける日にして。セキュリティーとか設定せなあかんし、まだお前は子供やから」
甘かった。
そっか。
ケータイ持ったからって、いつでも黒岩に電話できるってわけにもいかなさそう。
電話は一日何分とか、細かく決められそう。
でも、メールだけでもできたら全然違う。
な~んか、この頃・・・・・・黒岩が遠く感じるもん。
お得意のあの思わせぶり発言もないし、中学行っても、先生っぽい会話だけ。
“俺のこと好き?”とか聞いてくれへんし。
ま、えっか。
明日は、体力測定やから・・・・・・むふふ。
瑠美の愛しの緑川と接近できる~!!
またからかって遊ぼうっと。