「俺がそれを知ったのは、かなり時間が経ってからやった。それからも毎日俺のとこに来てたけど、全然付き合ってるようなこと話してないし、全く今までと同じやったから気付かんかった。大河内がブログに“彼氏ができました”って書いたんや。そのブログってのも、友人数人にしか教えてなかったみたいやねんけど、どこからかバレて・・・・・・」
それって、完全に青山が被害者やん・・・・・・
「俺の後ろ姿を、ブログに載せたらしい。優しい彼氏です、みたいに。それを見た俺のファンが、“この後ろ姿は青山先生やん”って・・・・・・それが学校に広まって、俺は役員会議でボロクソ言われるし、姉妹校に転勤させられそうになるし・・・・・・ってことや」
姫華ちゃんが・・・・・・
泣いてる。
嬉しかったんかな。
信じてて良かったって思ったんかな。
「かわいそう・・・・・・青山先生・・・・・・」
え?
姫華ちゃん、青山のことを想って、泣いてるんや。
すごいな。
めちゃめちゃ深い愛やな。
「姫華・・・・・・お前、そんなに俺のこと心配してくれとったんか」
「青山先生・・・・・・辛かったですよね」
完全にふたりの世界になってたから、私と瑠美はこの場から逃げようかと思った。
「ちょっと待て」
青山に引きとめられた。
「これが、俺が思ってる真実や!でもな、大河内から話を聞けば、多分全然違う真実があると思うんや。俺の話だけ聞いてると、大河内が勝手に勘違いして迷惑かけてひどいって思うと思うけど、そうじゃない」
青山、イイ男や。
なんか、優しい。
しっかりしてる。
教師っぽい。
(って、教師やけど)
「だから、アイツを責めたり、変な目で見るのはやめてあげて欲しい。大河内も、ほんまに辛い時期があったから。両親の離婚って、子供にとっては・・・・・・ほんまに辛いんや」
青山を見直した。
かっこいいだけじゃない。
マジで
中身も、スーパーミラクルかっこいい。