「逃げないで真実を話すべしっ!!」
私は、両手を大きく広げて、青山の前に立った。
何がしたかったやろう、と恥ずかしくなったけど。
「くすくす」と姫華ちゃんが笑ってくれたから、まあええか。
「真実・・・・・・か」
青山は、ふ~っとかっこよく息を吐いて、天井を見上げた。
そして、姫華ちゃんに視線を送る。
「姫華も誤解してんのか?」
悲しそうにそう言った青山に、姫華ちゃんは首を振った。
信じてるわけないやん。
私だって信じてない。
ただの噂やって思ってる。
だけど・・・・・・
だけど、さ。
「大河内の名前がお前らから出るってことは、何かあったんやな」
瑠美が、一連の出来事を話した。
大河内さんが体験入部に来て、先輩達が大騒ぎしたこととか。
先輩から大河内さんが青山と付き合ってたって聞いたこととか。
うんうん、と静かに話を聞いていた青山は、瑠美が話し終えると、立ち上がった。
そして、英語準備室のカギを閉めた。