「緑川先生と大越にお礼せなあかんな」
ポツリとつぶやいた黒岩。
「え?どういうこと?」
「多分やけど、大越と緑川先生は、俺とお前がやり直せるようにって、何か企んでいるような気がする」
そんな気はしてたけど。
応援してくれてるだけじゃないの?
瑠美の笑顔を思い出す。
早く伝えたい。
喜んでくれるやろうなぁ・・・・・・
「さっき、試合の前に緑川先生からノート渡してって頼まれたやろ?あのノートに、“小阪の緊張をほぐしてあげてください”って書かれてたんや」
「うっそ~!!知らんかった」
「緑川先生がそんな気のきくことできるはずないやろぉ?だから、大越と組んでるような気がすんねん」
「あ~、ありえる。あの2人、最近仲ええし」
私と黒岩の協力のためやったんか。
瑠美を呼び出す率が高かったもんな、緑川。
「病院連れて行くのも、緑川先生からわざとらしく頼まれたし。絶対、俺らのためやわ」
「優しいな。緑川。瑠美とくっついて欲しいわぁ」