小学生の男の子と女の子がするようなキスやった。
チュッって。
「ごめん。したくなってしまった。ほんま、ごめん」
「ううん。ありがとう。嬉しい・・・・・・」
嬉しくて嬉しくて
そこらへん飛び回りたいくらい嬉しい。
「俺らキス、してもーた」
「せやな。してもーたな」
見つめ合って、テヘヘって微笑み合う。
「これで、また明日から頑張れるわ。萌ちゃんパワーをもらったから」
「私も陽太パワーで、頑張るわ」
自然に“陽太”って出てしまったのは、心の中で時々陽太って言ってたから。
黒岩はちょっとびっくりした表情で、私を見た。
「ごめん。黒岩コーチ」
「ええねん。ふたりの時は、それでええ。って・・・・・・俺が終わりにしようって言ったのに、ごめん」
謝ってばかりの黒岩。
「じゃあ、ふたりの時は萌ちゃんって呼んでくれる?」
「う~ん、それはどうかな。俺、切り替えができひんアホやから、練習中にも呼んでしまいそうで怖いわ。でも・・・・・・今日だけは萌ちゃんって呼ぶな」