愛の力ってすごいと思う。
中学3年の受験の時にわかったことやけど、
好きな人のため、好きな人に褒められるため・・・・・・
そう思うと、めっちゃ力が湧いてくる。
それを教えてくれたんは、黒岩陽太。
「晴れて良かったな」
練習試合当日の朝。
バスに乗り込む。
「私、絶対シュート決めるから」
気合十分の姫華ちゃんに話を聞くと、どうやら点を入れると青山からご褒美があるらしい。
私と瑠美はそのご褒美は、絶対にキスや!って冷やかした。
青山と姫華ちゃんって、一体どうなるんやろう。
「大越、緊張すんなよ」
後ろに座ってた緑川が、コツンと瑠美の頭をつつく。
このこの~!
緑川ってば、絶対瑠美のこと特別扱いしてるわ。
黒岩は、直接試合会場に行くらしい。
早く会いたい。
顔が見たい。
声が聞きたい。
緊張をほぐして欲しい。