「えらい遅くなってもーたな。すまんすまん」



指を・・・・・・

絡めたまま、ですか?



緑川先生は、窓の外を見つつ、指をブンブンと振る。



きゃしゃな体つきやのに、指は結構太くて、がっしりしてる。


大人の男の人の指ってこんなんなんやろか。


お父さんしかしらんもん。


やっぱり、大人やな。



35歳かぁ・・・・・・


年上過ぎる。





「どしてん??」



まだ指、絡まってますって!!



「何でもないです」



「そうか」




やっと緑川先生と指が離れて、ほっとしてるのに、寂しくて。



手をつなぎたいとか、先生に触れたいとか

いろんな欲求が生まれてきてしまった。





「もう暗いし、今日は送ろか?ええか?」



緑川先生は、時計を見上げてから私を見た。



送るって、車ーーーーー??


そんなん嬉しすぎて、やばいです!!




「いいん、です・・・・・・か?」



「ん?ええけど、大越はええんか?」




断る理由なんてあるわけない。


緑川先生のあのごっつい愛車に乗れるなんて。




「ほな、帰ろか」



なんか、今の言い方・・・・・・


教師と生徒じゃない感じやった。




勝手にデート気分。


今の“ほな、帰ろか”は、めちゃめちゃドキドキした。



彼女にはあんな風に言うんかなぁ・・・・・・