私が、今この制服を着ていることは、奇跡に近い。
志望校を変えるかと担任から提案されることもしばしば。
国語以外は平均以下の成績。
英語が特に、苦手やった。
その上、「受験のバカヤロー」的な考え方で、変に反発してて。
親にも教師にも、この苦しみはわからんねん!!って、悲劇のヒロインになってた。
塾も辞め、勉強する気も失くし・・・・・・
受験ムードの高まる学校にも嫌気がさしてた。
そんな時・・・・・・
私の前に舞い降りたのが、黒岩やった。
う~ん。
黒岩・・・・・・下の名前もまだ知らん。
てか、3年間習ってて、下の名前も知らんなんて。
うん。
それくらい眼中になかった人やねん。
それがさ。
あの日、あの瞬間・・・・・・
私は黒岩に恋をした。