【瑠美SIDE】
「失礼します」
職員室の重い扉を開ける。
機嫌の悪そうな怖い顔した緑川先生が大股開きで椅子に座ってる。
「おう」
腕組みしたまま緑川先生は私をチラっと見た。
「緑川先生、疲れてるんですか?」
「当たり前やろ。朝からずっと質問されてばっかりで・・・・・・うんざりや」
当然のことながら、噂のことは緑川先生の耳にも届いてる。
他の先生からもいろいろ聞かれたりしたんかなぁ。
ちょっと心配。
「お前も俺に聞きたいんちゃうんか?」
「別に・・・・・・いいです」
聞かんでも、噂がほんまなことは何となくわかる。
だからって、別に悪いことじゃないやん。
緑川先生は今は真面目な教師なんやし。
「そうか。俺のこと怖くないん?」