「おら~、何笑っとんねん。小阪ーーー!」
練習試合の途中、先輩がTシャツを前と後を逆に着てるのを見つけて、大笑い。
「だって~、だって、あれ見てよ」
黒岩コーチに言う。
「あ~、あれは笑うわな。ははは」
笑われた先輩は、私を追いかけて、背中をバシバシ叩く。
「萌のあほぉ~」
「先輩があほなんですよぉ」
今ではこんな風に先輩とも打ち解けて、最高のサッカー部になった。
「あと10分やぞ~、延長したいんか、お前ら~」
黒岩コーチの大きな声に、
やっぱりまだドキドキしてしまう自分がおるねんけど、少しずつ少しずつ・・・・・・
傷は癒えてきた。
こうして、週に3回会える。
忘れるためには会われへん方がええんかもしれんけど、やっぱり会えるのは嬉しい。
徐々に、黒岩をただのコーチとして好きになれるように、今は頑張ってる。