着替えて、スパイクを持ってグラウンドへ。
物珍しそうに私達3人をジロジロ見るサッカー部員。
「男だらけやね」
姫華ちゃんはちょっと怯えた表情で私の後ろに隠れた。
「姫華ちゃんのことはうちらが守るから」
私と瑠美は姫華ちゃんを隠すようにして、緑川の元へ向かう。
職員室前で立っていた緑川は私達の異様な歩き方に微笑んだ。
「面白いなぁ、お前ら3人は」
へへへとはにかんでみる。
「先生~、男子の中に混じって練習って怖いんですけど」
とかわいこぶって言ってみる。
「そうやな。でも、しばらくは別練習やから大丈夫や。最初やからアイツらも珍しくて興奮しとんねん」
そう言って、緑川は男子部員に向かって叫ぶ。
「お前ら~、はよ練習始めろ」
細い体やのに、大きな声が出るもんや。
体育会系には見えへんけど、噂では緑川の運動神経はすごいらしい。
「見学者に説明してくるから、3人はグラウンド10周走ってて」
サラっとそんなこと言う緑川やけど、10周ってキツイんですけど。
「10周も走れませんよぉ」
ぶりっこしても無駄やった。
「そんなんでサッカー部としてやっていけると思ってんのか!!あほ!」
順番に3人の頭をコツンと優しく叩いたミドリムシに・・・・・・
3人ともちょっぴりキューーン!!