「あーーーーー!!この先生か!思い出したわ」
黒岩を指差したお母さん。
覚えてるんや。
「この先生だけはあかんわ」
へ?
へへ?
なんでーーーーよーーー!!
「なんで、です、か?」
宇宙人みたいな私。
「なんでもあかん。この人は、好きになったらあかんで」
もうなってるんですけど。
「なんで?」
「この顔は、絶対あかん。遊んでる顔や」
ええええええーーー!
そんな理由?
「参観で見たことあるわ。なんか、うちらにまで色目使ってたんやで~!お母さん方みんなキャーってなってたもん」
「嘘や~!そんなタイプちゃうで?」
参観と言えば、超真面目でおもんなかったで、黒岩は。
「廊下に立ってる時に、寒いから中にどうぞ~ってかっこええ顔で言うてんで。あれはあかんやろ」
「そんなん普通やん!色目なんか使ってへんし!ただかっこええだけやん」