次の日学校に行くと女の子達に挨拶をされる
僕は作った笑顔を貼り付けて挨拶を返す
こんな生活にも慣れた
笑いたくも無いのに笑う
それは王子様として当たり前の事なんだ

「おはよう白石隊員」
「おはよう橋本隊長」

謙に挨拶される
だから僕も挨拶を返す

「今日は二次元への帰り道を探すぞ!」

そう言って笑う謙に、僕は胸が締め付けられる感覚になった
何故か可愛いと思った

「はい隊長」

周りの女の子は僕と謙の会話を聞いて僕を凝視する
きっと、僕も謙みたいに変な奴だと思われてるのかもしれない
でも、それでもいいと思った
もう王子様で居続けるのは疲れたのだ

「白石君は優しいね。橋本さん浮いてるから話し合わせてるんだね!」

話しを合わせるのは謙が浮いてるからじゃない
ただ、謙と話しがしたいからだ
そう言うのさえ面倒で、僕はただ笑って誤魔化した

「橋本さん、ちょっといいかな」

謙が数人の女の子に連れて行かれる
僕は止めに入ろうと思ったけど、足が動かなかった
ここで止めに入って巻き込まれるのは嫌だ

なんて狡い考えをした僕はこっそり謙達の後を追い掛ける