「どう思う?」
『…寂しいし、悲しい』
「だよね。じゃあ実際に見せてあげようか?」
…麻生の言葉が理解できない。
何を見せようって?
「一夜や朝日から友達が離れて行くところ」
『…何言ってんの?頭大丈夫?』
そんなことできるわけないでしょ。
思わず頭の心配。
「平気平気。それができちゃうんだよね、俺には」
『……』
もうなんて言っていいかわからない。
しゃべるきも失せるっていうか…。
「あ、信じてないなその目」
『信じろっていう方がムリ』
「じゃあとりあえず証明してみせるよ」
『…どうやって?』
「今の俺、女の子に囲まれてるから男子からの信頼ないわけ。むしろ嫌われてるかな。そこは信じてくれる?」
『…うん』
確かに言ってることは間違ってない。
転入してきてから男子と喋ったのは1回。
一夜とすれ違う時に一言だけ。
それから毎日女子に囲まれて…。
「その男子からの信頼を1日で回復して見せる」
『できなかったら?』
「その時は謝る。これ以上俺から話しかけない」
『いいよ。じゃ』
あたしはこの空き教室からでようと、ドアに近寄る。
「結果はどうあれ、明日の朝またここに来いよ」
『あたしに命令しないで。言われなくても来るわよ』
そう言って、この教室から出た。
