『で、話って何』


「俺と付き合って」


語尾にハートをつけるように、ニッコリ笑った麻生。



『絶対に嫌。だいたい、梨沙達には関係しないじゃん』


「それが、関係あるんだよねぇ」


『……』


得意気な顔のコイツが、すごくウザい。

話があるなら早く進めろ。



「一夜は今、クラスに友達いる?」

『はい?』

「まぁいいから」


あたしから見て、親友は朝日。

いつも2人で行動してるみたいだけど、友達がいないわけじゃないし。


『いる』


朝日以外としゃべる姿はよく見る。


「へぇ~。朝日も?」

『当たり前でしょ』


無邪気で明るい朝日の周りには、たくさんの人が集まる。



「じゃあ、その友達がみんないなくなったらどうなるかな?」

『は…?』

「周りの友達が、自分から離れて行ったら…?」



――それは、寂しい。悲しい。


もう長い間梨沙と孤立してるから、そんな感情なくなったかと思ってたけど…。


まだ小学生の頃のあたしと梨沙は、見分けられない友達に自分たちから離れた。

本当の自分を見てくれないなんて、友達じゃない。


そう思って、離れた。


でも確かにあの時、悲しくて、寂しかった……。