少年は自分の名が呼ばれた方へ振り向く。

彼はレンというのだ。

「ミチか。何か用?」

この声とこの波はミチに間違いない。

「彼女が会いに来ちゃいけないの?レンったら学校終わったらいつもちゃぷちゃぷ池行っちゃってさ。昨日あたしと帰るって約束したのにさ。」

レンとミチは所謂恋人同士なのだ。レンはミチがだいすきなのだがなぜだか約束をすっぽかすことが多い。

ミチはそんなレンをいつだって寛大に受け止める。