地面を深く深く掘って行くとたどり着く世界がある。そこは人間に知られることなく独自の文化を発達させた民族が住む世界だ。

地下深くで生活を営む彼らには「光」というものを知らない。

故に自ら超音波のようなものを発することで人間で言う「目」の代わりをしている。

彼らにとって光は大敵なのだ。

知らずに地上付近まで行ってしまった仲間たちは徐々に皮膚が焼けて痛みに悶えながら死んでいった。

彼ら「ナパモ族」は高温に耐えることができないので地上へ進出することができない。

地上へ出たいなどと誰も思わないナパモ族の中である少年だけ地上への進出を志していた。