玄関に入ると、カレーの匂いがした。
確か今日は、仕事だって言ってたから、きっとユウが作ってくれたんだ。
ちょっと嬉しくなってキッチンへと向かおうとした時だった。
「ちょっと待て。」
「な、なに…?」
さっきと同じ…いや、さっきよりも怖い顔をしたユウがあたしを引き止めた。
「お前さ………そんなに成績悪いのか?」
「へ?」
一番聞かれたくないことを突いてきた。
え、えーっと…
改めてそう聞かれると、認めたくないっていうか…
自分から“はい。馬鹿です。”って言うのはちょっと…
「普通よりちょっと下ぐらい…?」
「嘘だったら、夕飯抜きにするけど?」
「ゔ…そ、それは……」
「言えないならテスト見せろ。」
「そ、それもちょっと…」
あのテストの点を見られるのはまずい気がする。
というか、ただでさえ武ちゃんにこってり怒られてきたのに
ユウにまでバレるなんて…
無理!
死んでもやだ!!!