「…イラつく。」
「え?」
「奈央が他の男と仲良くしてて…すっげぇイラついた。」
耳元でそう言ったユウの声が聞こえた。
それって……
少しは自惚れてもいいのかな…?
「ユウ…それって…」
「……で、あいつと何してたわけ?」
「へ?だ、だからっ!武ちゃんは学校の先生で、あたしの補習をしてたのっ!」
「ふ〜ん…じゃ、彼氏じゃないんだ?」
「あ、当たり前じゃんっ!」
あたしがそう言うと、ユウは安心したようにニコッと微笑んだ。
ユウの身体が離れて、優しく手を握られる。
握った手はやっぱり、ほんの少しだけ冷たかった。