「じゃ、まずこれ。」



教室にあった椅子に座ると、机の上にこれでもかってぐらいの量のプリントが置かれた。



もしかして、これ全部やるの…?



そんな不安が頭をよぎり、恐る恐る見上げると、ニッコリと笑った武ちゃんがいた。



やれ、ってことだよね…



はぁ…と大きなため息をついて、まずは一番上にあるプリントを手にとる。



「えーっと…」



……。


………。




アハ、ハ…



「た、武ちゃん…?」


「何?」


「教えてほしいな〜…なんて」


「…お前、これわかんねぇの?」


「やだなーそんなわけないじゃん」


「棒読み。」


「ゔ…」



そんなあたしに追い討ちをかけるように、武ちゃんが呆れてため息をついた。



自分でも情けなくなってくる。



「まずこれは…」



武ちゃんがあたしの隣に椅子を持ってきて、教科書を広げた。



…あれ?



いい匂いがする…